背骨/35.4℃

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背骨

 

僕達は世界に内包されていて、でも例えば視線や触覚や、つまり五感や、言葉や意識によって同様に、或いはそれぞれに、世界を内包している。

例えば貴方がその指先で何かに触れるとき、言葉を発するとき、その起点となるもの。
それがどういう意味かは分からないけれど、貴方がいうところの「世界」というフレームの中核を成すもの。

例えば其処には、液体に満たされた中に感覚の束が走っていたり、するのだ。

35.4℃

日本人の平均体温は、36.89℃だそうだ。

朝起きて、ベッドの中で体温を測る時に、貴方の体温は、それより少し、低いかもしれない。
大気との温度差が熱的に貴方を形作るのと同じ様に、貴方のその少し欠けた体温が、他者から貴方を切り分ける。

だから、例えば貴方が何かについて欠けていると感じる時でも、僕は大丈夫だと思う。

それは、その欠けたものが何時か満たされるからではなくて、貴方の欠けているという事に対しても、或いは欠けている部分も、
欠けているという事も、この世界と等分に、うつくしい、という事を内包しているからだ。


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